夏季に入ると、気象状態が不安定になる傾向が見られ、雨や雷といった荒れた天気に見舞われる機会が増えます。
特に雷が発生しやすく、予期せぬ落雷や空が輝く様子を目にすることが珍しくありません。
一般に雷といえば轟音が特徴的ですが、中には音を伴わない雷も存在します。
これは「雲放電」と呼ばれ、光る現象は見られるものの、音が全くしないことが大きな特徴です。
今回は「雲放電」の性質や危険性、落雷との違いについて詳しく説明していきます。
無音の雷「雲放電」の危険性は?
空や雲が明るく光っても、雷の音がしない現象について考えてみましょう。
この無音で光る現象は「雲放電」と呼ばれています。
雲放電と落雷の違い
雲内で氷粒が摩擦し、静電気が生成されることで雷は生じます。
この過程で、
の二つの形態に分かれますよ。
「地上への落雷」は雷が地上に到達し、電流が急激に膨張・収縮することで大音量を発します。
一般的に「雷が落ちる」と表現されますよ。
一方、光のみで音がない「雲放電」は雲の中または雲間で発生し、音を伴わないものです。
この場合、電流が比較的弱く、音は存在するものの遠くて聞こえない場合が多いです。
雲放電の危険性
空や雲が光っていても音がない「雲放電」は、必ずしも安全ではありません。
実際には、
の発生地点に大きな差はありません。
いつ地上に落雷が発生しても、不思議ではない状況にあります。
雷の音が聞こえないからといって油断せず、安全を最優先してください。
雲放電が観測された場合でも、
などの安全な場所に留まりましょう。
静かに光り輝く雷の安全距離は?
雷の美しさと危険性について、理解することは重要です。
光と音の違いが示すものについて掘り下げていきます。
光と音の遅延:雷の安全距離
雷の光は音よりも速く伝わります。
光を見た後に、音が聞こえるまでの時間差から雷の位置を推定できます。
通常、雷の音は約15~20kmの範囲内で聞こえることが多いです。
この距離にあるときのゴロゴロとした音は、近くで落雷が発生しているサインです。
一方、雲放電は一般的に約40~50km離れた場所で観測されますよ。
雷の近接に伴う危険性と対策
上空から見た場合、
は、それほど大きな差ではないかもしれません。
特に落雷が起こりやすい条件下では、いつどこに雷が落ちるか予測できません。
雷鳴が聞こえたら、すぐに屋内へ避難しましょう。
地上では40~50km先の雷が、安全圏内に感じるかもしれません。
実際には、いつ落雷が発生してもおかしくない距離にあるため、警戒が必要です。
また雷が近くに落ちた場合、
が高まります。
雷鳴を聞いた際には、電化製品のプラグを抜く、ブレーカーを落とすなどの対策が推奨されます。
高所は雷にとって魅力的な目標となります。
などは避け、建物内や車内に避難しましょう。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
「雲放電」とは雷が音を伴わずに光る現象で、地上に電流が到達しないために起こります。
実際には音が発生していますが、電流の弱さから音が小さく、聞こえにくいことが一般的です。
また、
と距離に違いがありますよ。
音がしないからと言って安全とは限りません。
天候が急変し、空が明るくなるなどの兆候があれば、落雷の可能性があるため警戒が必要です。
高い場所は避け、できるだけ早く建物内や車内への避難を心がけましょう。
落雷や雲放電を区別し、雷から身を守るための行動を取ってください。